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沙希の言葉に、禅は苦笑した。
「すげぇ理由だな……」
「でも当たってるでしょ?」
ニコニコ言う沙希に、禅はさらに苦笑して頷いた。
「俺は人に弱いところを見せるのが下手だからな。……涙を隠すのにはちょうどいいだろ?」
その言葉に、沙希はキョトンとした。
「……禅が泣く?……想像できないなぁ」
沙希の様子に、禅は不機嫌そうにタバコをもみ消した。
「……俺だって泣くことくらいある」
その言葉に、沙希はニコニコ笑って頷いた。
「……そっか」
その笑顔を見て禅は顔をしかめた。
「……なんで嬉しそうなんだよ」
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