再会

13/22
前へ
/595ページ
次へ
「……あの娘と付き合ってるの?」 茜の言葉に禅は顔をしかめた。 「んなわけない。一緒に歌ってる仲間だ」 「そっか……」 すると2人の間に沈黙が流れた。 しばらく屋根にあたる雨音だけが響くと、禅がその沈黙を崩した。 「……あれからマコトとはどうなったんだ?」 その問いかけに、茜は俯いて答えた。 「……別れたよ。わたしは、禅もマコトも傷付けた嫌な女だね」 「そうだな」 即答した禅の言葉に、茜は苦笑した。 「禅はさ、わたしのこと……恨んでる?」 「当然だろ。俺は全部なかったことに出来るほど大人じゃない」
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加