再会

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「……禅は、マコトたちから誤解されたままでいいの?」 その言葉に、禅は興味なさそうな目で言った。 「どうでもいい。俺自身の気持ちは変わらないんだから。ただ原因を作ったお前が、自分がツライのを他人に背負わせようってのは気に食わない」 「……そうだね。わたしがしようとしたことはズルイのかもしれない」 そう呟いて茜は空を見上げた。 「……あの日もこんな雨の日だったね」 「……あぁ」 禅が頷くと、茜は寂しそうに笑って立ち上がった。 「これで禅とのお別れは2回目で、2回とも雨か……。ねぇ、禅。お別れだから、もう会いにこないから、1つだけお願いしてもいい?」
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