再会

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「……その内容によるけどな」 禅がそう言うと、茜は雨の中に1歩踏み出して言った。 「……今日みたいな雨の日、ほんの少しだけ禅を思い出したい。他には何も望まないから……禅を忘れたくない」 その言葉を聞いた禅は、雨に濡れることを気にせず茜の隣に立った。 「……なんでそこまで俺にこだわるんだよ?俺は愛想悪いし、お世辞にも優しいなんて言えないだろ?」 そんな禅の言葉に、茜はニッコリ笑った。 「たしかに禅は愛想悪いし、年下のクセに生意気だね。……でも、優しいよ。文句を言ってても、最後は手を差し延べてくれる」
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