再会

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「やっぱり禅に会いに来てよかった」 「………行くんだな?」 禅の問いかけに、茜はニッコリ笑って頷いた。 「こんなことを言ったら禅は怒るかもしれないけど、禅は1年前と変わらずいい男だったよ。……ホントに……あきらめるのが……嫌なくらいに」 途切れ途切れに言った茜の目に涙がうかんだ。 しかし雨のせいで禅はその涙に気付かなかった。 「じゃあな。……多分、もう会うこともないだろ」 禅の言葉に茜は笑顔で頷いた。 「ねぇ、禅。最後に1つ聞いてもいい?」 禅が無言で頷くと、茜は寂しそうに笑って尋ねた。 「……もし、わたしがマコトと付き合ってなかったら、……わたしを受け入れてくれた?」
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