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禅がそんなことを愚痴っていると、インターホンが鳴った。
禅がゆっくり立ち上がってドアを開けると、そこには背にギターを背負い、右手にアンプを持った沙希がいた。
「……今日は引越しの日だったんじゃないのか?」
禅がキョトンとして尋ねると、沙希はニンマリ笑って言った。
「引越すの禅の隣の部屋だから」
禅は一瞬その言葉の意味がわからなかった。
「…………………………はぁ!?」
禅が理解して素っ頓狂な声をあげると、ノロノロと重たそうな箱を持つ翔が出てきた。
「おい、神谷。いいから手伝えよ!下にまだまだ荷物積んであるから」
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