失恋

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そう言って禅は空を見上げた。 「……感謝してるよ。 俺はあいつに救われたし、きっと今でも救われてる。 ……だから、あいつが好きな歌に協力したいと思ってる」 そう言って禅は翔に視線を向けて苦笑した。 「絶対に調子にのるから、面と向かっては言わないけどな」 「つまり沙希は神谷の恩人なわけか」 翔が納得したように言うと、禅は頷いて小さな声で言った。 「……お前もな」 「……はぁ?」 その言葉に翔は目を丸くした。 すると禅は少し顔を赤くして前を向いて言った。 「お前にも感謝してるって言ったんだよ」
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