5105人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな禅の嘆きを聞いて、沙希はムスッとして言った。
「どっちにしても、さっきの約束は守ってもらうからね?」
その言葉に、禅はため息をついて頷いた。
それから3人は並んで教室に向かうと、沙希たちが言った通りクラスメートが全員いて、禅たちが最後だった。
するとクラスメートの女子2人が沙希のもとにやってきた。
(たしかこの2人は去年も同じクラスだったな……)
禅は心の中でそう呟いて、余計に気が重くなった。
学校での禅は転校初日から授業はサボったし、誰もよせつけないようにしていた。
それを直接目の当たりにしている人間が、その禅にいきなり挨拶されて驚く顔が禅の脳裏をよぎった。
最初のコメントを投稿しよう!