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しかし、そんな禅の心境など知るはずもなく、2人の女子は沙希に笑顔を向けた。
「オハヨー沙希!」
「また同じクラスだね」
そう声をかけられて、沙希はニッコリ笑って頷いた。
「2人ともオハヨー!」
すると沙希が禅をチラッと見た。
そしてその目は『早く言え』と催促していた。
それに気付いて、禅はため息をついてポツリと小さな声で言った。
「……………おはよう」
相手に聞こえたかも疑わしいほど小さな声で言った禅の言葉は、それでもちゃんと相手に聞こえていた。
その証拠に、女子2人は目を丸くして唖然としていた。
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