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禅に理不尽な怒りをぶつける沙希を見て、翔が苦笑しながらやってきた。
「沙希、今のは禅が正しいって」
その言葉に沙希はムスッとしてそっぽ向いた。
そしてそのまま自分の席に戻っていった。
「……なぁ翔、あいつどうしたんだ？」
禅がキョトンとして尋ねると、翔は肩をすくめた。
「知らね。
ただ下手に逆らわない方がいいのは間違いなさそうだな」
「……俺、なんか変なことしてたか？」
禅が尋ねると、翔はケラケラ笑って首を振った。
「なんもしてねぇよ。
強いて言うなら、クラスの奴らからしたら、禅が挨拶したりしてんのがおかしいんじゃねぇ？」
そんな翔の軽口に、禅は声を出して笑った。
「あっははは、そりゃそうだ」
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