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「……嬉しそうだな？」
禅が尋ねると、沙希は笑顔のまま頷いた。
「だってこんなに大勢の前でやるんだよ？
嬉しいに決まってるじゃん」
「……お前っていい度胸してるよな。
緊張しないのか？」
禅が苦笑しながら尋ねると、沙希はニッコリ笑って答えた。
「緊張なんてしないよ？
ライブのステージに立って思ったんだけど、路上とは違う気持ちよさがあるんだよね。
なんか山のてっぺんで歌ってるみたいで」
その言葉に禅は苦笑して言った。
「山じゃなくて、せめて丘だろ」
「あぁ、丘！いいね、それ！」
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