人気

20/27
前へ
/595ページ
次へ
「俺は今日演ることも知らなかった。 だから特に言うこともないな」 そんな禅の言葉に、沙希は少しだけ怒った。 「まったく、もう……。 とにかく、頑張りますんで聞いてください」 沙希はそう言って禅に視線を向けた。 禅は小さく頷くと、一度大きく息をはいてピアノに指をはしらせた。 最初演奏した曲はバラード。 沙希の澄んだ歌声と、禅の低音のコーラスは心地よい和音となり、オーディエンスの心を掴んだ。 2曲目、3曲目はアップテンポの曲で、会場を盛り上げた。 最後の4曲目はまたバラードに戻り、歓迎会の最後をしっとりと締めくくった。
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加