嘆息

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入学式から1週間たった日の朝、禅は学校に向かう道でため息をついた。 すると隣を歩いていた沙希が眉をひそめて尋ねた。 「朝からため息なんてついてどうしたの?」 「……学校行ったらまた囲まれるんだろうなって思ってな」 禅は歓迎会のライブ以来、男女問わず話しかけられるようになった。 それは入学式の朝挨拶したことで、今まで禅の怖いという印象が薄れたのもあって1人、また1人と増えていった。 1週間たった今ではライブで急上昇した人気もあわせて、休み時間ごとに質問攻めにあうようになっていた。
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