嘆息

3/15
前へ
/595ページ
次へ
「……人と話したりするのまだ嫌なの?」 沙希が尋ねると、禅はため息をついて頷いた。 「勘違いしてるみたいだけどな、俺は今でも人間嫌いだ」 「でもわたしと翔とは普通に話すようになったじゃん?」 沙希の言葉に、禅は首を振って言った。 「……お前らは別。 お前らにだって簡単に心開いたわけじゃなかっただろ?」 「まぁ……たしかに」 沙希が頷くと、禅はポツリと呟いた。 「……簡単に人を信用出来るほど立ち直ってるわけじゃないからな」 そんな禅の暗い気持ちののった言葉を聞いて、沙希はニンマリ笑って尋ねた。 「じゃあ誰なら信用してるの?」
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加