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沙希の歌を聴いたあの日、禅は思った通りのことを口にした。
だがそれがまずかった。
沙希を非難したことに翔が怒り、沙希は禅に音楽の知識があることに興味を持った。
おかげで禅に平穏はなかった。
禅はその事を思い出して、右手を額においてため息をついた。
「……でも……声はよかったな」
禅はそう呟くと体を起こした。
すると視界にピアノが入ってきた。
禅はゆっくり立ち上げりピアノの前に座る。
そしておもむろにピアノの鍵盤に手をのせた。
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