嘆息

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禅が言った言葉を聞いて、翔は苦笑しながら言った。 「沙希に振り回されるのは大変なのに、禅も物好きになったな?」 「そうかもな」 禅が頷いてそう言うと、2人は声を出して笑った。 すると1時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った。 「おっと……、んじゃ戻るか」 翔がそう言うと、禅はタバコを最後に大きく吐き出して立ち上がった。 禅の吐き出したタバコの煙は、 春の風にあっという間にかきけされた。 その上空では、 雲が風に吹かれ、 空はその表情をコロコロと変えていた。
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