好意

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だが今は違う。 同じ学校に通う生徒として、神谷 禅という1人の男として好意が向いていた。 「……恋愛なんてする気ねぇっての」 禅はため息をつきながらそう呟いた。 人と関わることから逃げるのはもうやめようと思っていた。 少なくとも声をかけてきたら返事をするくらいはしようと。 だが、それに恋愛が絡むと話は違った。 結衣への想い、茜からの想い、禅が人生の中の恋愛と言える経験はその2つだけ。 どちらも禅の心を暗くするだけで、恋愛に対していい印象がない。 「………ファンだってだけなら大丈夫だと思うんだけどな」
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