好意

10/21
前へ
/595ページ
次へ
「んじゃけって~い! 11時前にはあがれるから、それまで待ってて?」 「はい!」 沙希の言葉に裕紀が嬉しそうに頷くと、禅は大きなため息をついた。 そしてそのまま翔をジトッと見つめた。 それに気付いた翔は、顔をゆがめて『すまん』と声を出さずに口を動かした。 すると禅たちの様子を伺っていた女子たちが、近付こうとしていた。 禅はもう一度ため息をつくと、翔に向かって言った。 「控室に戻る。あとよろしく」 翔の返事を待たずに禅が歩き出すと、翔はまわりの状況に気付いて慌てて頷いた。 「あ、あぁ、わかった……」
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加