好意

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その後、禅は自分の出番まで一歩も控室から出なかった。 そして禅たちの出番が来て、セッティングをしている時、いち早く準備を終えた禅が沙希に近付いた。 「お前は何がしたいんだよ? 今回はお前の悪ノリにしか思えないぞ」 禅が不機嫌にそう言うと、沙希はうなだれて謝った。 「ごめん……」 しゅんとなっている沙希を見て、禅はため息をついて言った。 「……お前と翔が俺の隣。 俺に絶対に話をふらない。 それが条件だ」 禅がそう言うと、沙希は大きく頷いた。 「今度は大丈夫だから!」 「飯は奢れよ。 手料理とファーストフードは却下だからな」 禅がそう言うと、沙希はギクッとしながら、かわいた笑いを浮かべて頷いた。
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