好意

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「ふぅ……」 禅は地べたに腰を下ろすと大きくタバコをはきだした。 「……………帰ろうかな」 禅がそうぼやくと、扉が開いた。 禅がゆっくり視線をあげると、そこには佐奈がいた。 「やっぱりトイレじゃなかった。 タバコ持って出たからあやしいと思ったんだよね」 ほろ酔い加減で見るからに気持ちよさそうな佐奈は、禅の向かいに座った。 「……神谷くんってさ、女の子嫌い?」 「はぁ?」 突然の佐奈の問いに、禅は顔をしかめた。 すると佐奈は口を尖らせて言った。 「だってこんなに女の子いっぱいいるのに渡利くんと話してばっかりじゃない。 あげくの果てにこんなとこに来るし」
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