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沙希の問いに、禅は首を振って答えた。
「お前じゃない。合唱部に行くことになってるんだよ」
その言葉に、翔がキョトンとして尋ねた。
「……合唱部？なんでまたそんなとこに？」
「合唱部のピアノの伴奏するやつが今日休みなんだってよ。
で、今日手伝うかわりに廊下にくる女子をなんとかするって、片桐と約束したんだ」
禅がそう言うと、翔が苦笑して言った。
「なるほどな。たしかにあれは、禅じゃなくても迷惑だもんなぁ」
すると沙希が口を尖らせて言った。
「……そんなの、わたしに頼めばいいじゃん」
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