君の唄が響く丘

隣人

そんな禅の言葉を隣で聞いた佐奈が、苦笑して手を叩いて後輩たちに言った。

「ほら、あんまり騒がないの。
禅くんそういうの嫌いなんだから、あまりうるさくしてると嫌われるよ？」

その言葉に、後輩たちはバツが悪そうな顔をして、ピタリと止まった。

それを見た佐奈は、ニコッと笑って後輩たちに言った。

「今のこと、クラスの子にも言ってね？
休み時間の度に廊下来る子たちに、禅くんすごい迷惑してるから。
それを言うのを条件に今日も来てくれたんだからね」

佐奈がそう言うと、後輩たちは戸惑いながら頷いた。