隣人

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沙希がそう言うと、禅は小さくため息をついて言った。 「俺は周りに人が大勢いなくていい。 ……信頼出来るやつがいてくれればそれでいい」 禅の言葉に、沙希はため息をついて言った。 「禅の言いたいことはわかるよ。あんなことがあったんだもん。 ……でも、やっぱり禅はもっと人と関わるべきだと思う」 「……なんでだよ?」 禅が沙希を睨みながら尋ねると、沙希は禅を真っすぐ見つめて答えた。 「禅が今、自分の歌を作れないのは人間嫌いのせいだと思うから」 その言葉に、禅は怒りを忘れて動揺した。
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