隣人

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「……お前の言う通りだな。 でも……やっぱり茜の件を完璧に割り切ったわけじゃない……」 禅が力無くそう呟くと、沙希はテーブルの上で拳を握った禅の右手にそっと手をのせた。 そしてニッコリ笑って言った。 「いきなり変わるのは無理だけど、今の禅にはわたしがいるよ? ついでに翔もね」 その言葉に禅は目を丸くしたが、次の瞬間苦笑して言った。 「クサイセリフだな……」 「ムッ……!」 禅の言葉に沙希は口を尖らせたが、禅は目を閉じて口元を緩めて呟いた。 「でも、……悪くないな。 お前たちとなら、変われる気がするよ……」
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