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音楽室での一件があった週末の土曜日、禅は何をするわけでもなく朝から1人でアパートにいた。
テレビもつけず、世界から孤立するようにただぼーっとして時間を過ごしていると、2時過ぎにチャイムがなった。
客が来る予定などあるはずがなかったため、不思議に思いながらドアをあけた。
「神谷さんのお宅ですね?宅配便です」
気のよさそうな笑顔をした中年の男が1メートル以上ある縦長の荷物を禅に手渡した。
「サインか印鑑お願いします」
「じゃあサインで」
禅はそう言って手早くサインをして荷物を部屋に入れた。
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