帰郷

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すると禅は乱暴にソファーに腰を下ろした。 それを見て、父も鼻を鳴らしてソファーに座り直した。 そんな2人の様子に、漣は頭を押さえてため息をついた。 「まったく……少しは仲よくしろよな」 「「無理だ」」 声を揃えて否定した2人に、漣は苦笑して禅の隣に腰を下ろした。 すると、キッチンからお茶とお茶受けの乗ったトレーを持った母と、その横に結衣が並んで出てきた。 母と結衣は手早くそれをテーブルに並べると、母は父の隣に、結衣は漣の隣に腰を下ろした。 漣は自分の前に置かれたお茶を一言飲むと、隣に座る禅に視線を向けた。 「それで、禅の進路の話だったよな? 禅はどうしたいんだ? お前の成績なら大学にも行けるだろ?」
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