帰郷

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その問いに、禅は一瞬の間を置いて答えた。 「……特に決めてるわけじゃないけど、大学に行くつもりはない」 禅の答えに、父が眉をひそめた。 「大学に行かないで何をする? 結衣さんのように、プロのミュージシャンにでもなろうと言うのか?」 「……俺1人で決められることじゃない。 それでも、もう一度目指してみたいと思える相棒がいる」 禅の答えに、結衣が笑みをこぼした。 「沙希ちゃんのこと?」 結衣の問いに、禅は無言で頷いた。 「結衣さんは、その沙希さんって人を知っているの?」 母の問いに結衣は笑顔で頷いた。
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