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「……漣、何を知ってるの?」
結衣がそう問いかけると、漣はため息をついて目を開いた。
「禅が好きだったのは……結衣だ」
その言葉に、両親と結衣が息を飲み、禅は動揺して言葉を紡げなかった。
「兄貴の嫁さんが好きだなんて、そんなこと言えるわけないだろ?
だから、禅は誰に何を聞かれても黙ってたんだよ」
漣の言葉に、結衣が動揺した瞳で禅を見つめた。
それに気付いた禅は、何も言えずに視線をそらした。
そしてそれは肯定を意味していた。
「そんな……」
母が震える声でそう呟くと、漣が大きなため息をついた。
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