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「……もしかして、結衣さんもいたの?」
沙希の問いに禅は大きく頷いた。
すると沙希は顔をしかめた。
「うわぁ……。
……でも、この後どうするの?
誤解が解けたなら、禅は家に帰るの?」
沙希の問いに、禅はゆっくりと首を振った。
「あの街にも、あの家にも、俺に居場所なんてなかった。
それに誤解は解けても、俺はやっぱり親父たちが憎い」
禅の言葉に、沙希はやれやれといった様子でため息をついた。
「まぁ、そんなに簡単には割り切れないよね。
わたしだって、母親のこと今でも憎いもん」
「……翔も呼んで飲むか?」
禅が苦笑して尋ねると、沙希はニヤッと笑って頷いた。
「今日は夜通しやけ酒だぁ!」
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