決別

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すると、禅が俯いて小さな声で言った。 「すいませんでした……。 あの時話さなかったことも、結衣さんの調子が悪くなったことも、全部……」 その言葉を聞いたマサは、ゆっくり首を振って言った。 「……いや、禅のせいじゃない。 1人で背負わせちまった俺たちの責任だ。 悪かったな、禅」 その言葉に、禅は首を振って言った。 「そんなこと……。 結衣さんに対する気持ちはもう整理がついてるし、それをちゃんと伝えれば、マサさんたちに迷惑をかけなかったはずですから……」 「じゃあ、今から伝えよう!」 沙希が元気よくそう言うと、翔が大きく頷いた。 「だな。ほら、今すぐ電話しろよ」
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