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禅は最後まで読むと手紙を破りすてた。
「勝手なこといいやがって……!何が逃げるなだ!ふざけるんじゃねぇ!」
禅はそう怒鳴って畳に拳を叩きつける。
それでも怒りはおさまることはなく、舌打ちをしてアパートを出ていった。
行くあてもなく、ただ不機嫌にズカズカと街を歩く。
少しだけ落ち着いたところで、小さな公園が目にとまった。
その公園に舌打ちをして入り、ベンチに腰かける。
どれだけ歩いたかわからない。
携帯も財布も持たずに出てきたため、時間もさだかではない。
ただ、空を見上げるとまだ太陽が高い位置にあったため、それほど時間がたっていないだろうということは予想出来た。
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