決別

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それから10分ほどで、買い物を終えた結衣が戻ってきた。 「ただいま。 禅、いらっしゃい……」 結衣が禅の目を見ないでそう言うと、マサが大きなため息をついた。 「結衣、お前気にしすぎだぞ」 その言葉に、禅が苦笑して頷いた。 「結衣さん、本当に気にしないでくれよ。 もう昔のことなんだから」 すると、ソファーに深く腰を下ろしていたナオが、禅に視線を向けた。 「禅、俺も漣から話を聞いた」 「……そうですか」 禅が苦笑してそう言うと、ナオは結衣を顎で指して言った。 「結衣と2人で話してこい。 腹を割って、お前が思ってること、思ってたこと、全部話してこい」
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