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「だけど、あの事件は――」
「結衣さんには関係ない」
禅は結衣の言葉を遮るようにそう言うと、目を閉じて続けた。
「あの事件は、俺とマコト、そして茜の3人の問題だ。
そして、その後に人間不信になったのは俺の問題。
結衣さんが思い詰めることじゃない」
「だけど……」
なお引き下がろうとする結衣に、禅は首を振って言った。
「全部話そうとしなかった俺を信じてくれた。
それだけで十分だよ。
そのおかげで、俺は友達を作れて、笑っていられるんだから」
「……ねぇ禅、沙希ちゃんたちといて楽しい?」
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