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その問いに、禅は苦笑して答えた。
「騒がしくてうっとうしいよ。
でもまぁ……楽しいかな」
「そっか……」
禅の答えに結衣が安心したような笑みをこぼすと、禅は口元を緩めて尋ねた。
「結衣さんにとって俺はなに?」
突然の問いに、結衣は戸惑いの表情を浮かべて俯いた。
「あの……漣の弟で……わたしにとっても、やっぱり弟……」
「俺もだよ」
「え……?」
禅の言葉に結衣がキョトンとして顔を上げると、禅は笑顔で言った。
「昔はともかく、少なくとも今は俺も家族だって思ってる。
だから、もうそれでいいじゃんか。
なっ、……義姉さん」
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