決別

22/25
前へ
/595ページ
次へ
その問いに、禅は苦笑して答えた。 「騒がしくてうっとうしいよ。 でもまぁ……楽しいかな」 「そっか……」 禅の答えに結衣が安心したような笑みをこぼすと、禅は口元を緩めて尋ねた。 「結衣さんにとって俺はなに?」 突然の問いに、結衣は戸惑いの表情を浮かべて俯いた。 「あの……漣の弟で……わたしにとっても、やっぱり弟……」 「俺もだよ」 「え……?」 禅の言葉に結衣がキョトンとして顔を上げると、禅は笑顔で言った。 「昔はともかく、少なくとも今は俺も家族だって思ってる。 だから、もうそれでいいじゃんか。 なっ、……義姉さん」
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加