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夏休みあけの登校日初日の朝。
まだまだ暑い陽射しが世界を輝かせていた。
そんな中、見慣れない廊下を、神谷 禅は金色の髪と耳につけたピアスを光らせながら、新しい担任教師に続いて歩く。
ただ後を追うだけ。
その切れ長の目で辺りを窺おうともしない。
世界の全てがどうでもいいから。
世界の全てに絶望したから。
担任が2―Dとかかれた教室の前で立ち止まる。
「ここが君の新しい教室だ」
禅はその言葉に頷くこともなく聞き流す。
そんな禅に、担任は小さなため息をついて教室に入った。
「ほら!静まれ!」
ガヤガヤしていた教室は、担任の一声で静まり返る。
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