一歩

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「……俺は、ずっと義姉さんが好きだった。 でも、義姉さんは兄貴と付き合ってたし、あの頃には結婚もしてた。 だから、そのことを誰にも言えなかった」 禅の語る真実に、マコトは驚愕の表情を浮かべて、震える声で言った。 「……嘘だろ? 本当なら、なんで今さら言うんだよ?」 すると、禅が大きく息を吐き出して答えた。 「今になって話せるようになったのは、それが兄貴にバレてて、兄貴が義姉さんと親父たちの前でバラしたからだ」 「じゃあ……」 戸惑いの表情を浮かべるマコトを、沙希はキツク睨んで言った。 「全部そっちの勘違い。 禅は茜さんに手を出してない。 むしろ、茜さんから禅に詰め寄った。 禅を信じなかったあんたたちは、禅から全て奪ったの!」
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