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「……なんでお前は俺の行くとこに現れるんだよ」
禅が嫌そうな顔を隠そうともせず尋ねると、沙希は少し悩んでからこたえた。
「運命」
「アホ」
禅は間髪おかずに切り捨てると、立ち上がった。
「あれ?どこ行くの?」
「帰るんだよ」
そう言って禅は公園を出た。
怒りにまかせて適当に歩いてきたので道はよくわからなかったが、急ぎの用があるわけでもないのでのんびり帰ることにした。
5分ほど歩いて新たなタバコに火をつけたところで禅は立ち止まった。
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