一歩

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そんな茜の言葉に、禅は頷いて言った。 「俺が好きだったのは、兄貴の嫁さん、ようするに義姉さんだったんだ」 禅の言葉に、茜は寂しそうに笑って頷いた。 「やっぱりそうだったんだ……」 その言葉に、翔が目を丸くした。 「知ってたんですか?」 その問いに、茜は目を閉じて首を振った。 「あの頃は全然気付いてなかったわ。 でも、禅がどうしても言わなかったから、それ以外ないって思ったの」 すると、禅が大きく息を吐き出して言った。 「今日で、全部整理をつけるつもりで来た。 だから、今さらって分かってたけど、話しに来た」
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