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「……なんでついてくるんだよ?」
禅は振り返り、公園から後ろをついてくる沙希に疑いの視線を向ける。
すると、沙希はニコッと笑って言った。
「偶然だよ。
たまたま同じ方向に行くだけ」
禅はいぶかしげに沙希を見て尋ねた。
「……ちなみに、行き先は?」
「禅の家」
「帰れ」
禅はそう言ってスタスタと歩きだす。
沙希も後を追ってついてくる。
禅が少しずつ歩く速度を上げると、沙希も同様に速度を上げる。
禅はムキになり、最終的には全速力で走っていた。
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