独歩

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「ふぅん……。 部活の方は大丈夫なのか?」 禅がそう尋ねると、佐奈が首を振った。 「正直、ちょっと困ってる。 もうすぐコンクールがあるから、ピアノなしで練習しなきゃならないのはね……」 すると、禅はため息をついて言った。 「なら、そいつの指が治るまで、俺が手伝ってやろうか?」 そんな禅の申し出に、佐奈が目を丸くした。 「いいの!?」 そんな佐奈の様子に、禅が呆れて言った。 「ダメだったら最初から言わねぇよ。 それに、治るまでそんなにかからねぇんだろ?」 禅が裕紀に視線を向けると、裕紀はコクコク頷いて言った。 「来週には弾けるようになると思います!」
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