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全速力でいきあたりばったりで角を曲がりながら300メートルほど走ったところで、禅は止まって膝に手をのて地面を睨みながら息を整えた。
「はぁ、はぁ、……あいつに、かかわると、はぁ、はぁ、ろくなことに、ならないに、決まってる」
禅は顔をしかめてぼやくと、顔を上げた。
「禅って足速いんだね。
でも、そこまで息きれてるのはタバコのせいだぞ」
禅の目の前にはニコニコ笑っている沙希がいた。
「なんで……?」
禅が顔をひきつらせて尋ねると、沙希は笑顔で右方向を指さした。
その先を見て、禅は唖然として呟く。
「……さっきの公園か?」
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