後輩

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裕紀がそう答えると、禅はタバコを大きく吐き出して言った。 「幼なじみみたいなもんか」 「幼なじみっていうほど昔からの付き合いではないですけどね。 でも、中学、高校って一緒だし、帰る方向も一緒だから自然とって感じです」 「なるほどな……。 まぁ、古い付き合いってのはいいもんだろうな。 俺の場合、近くに同じくらいの歳の奴がいなかったからよく分からねぇけど」 禅の言葉に、裕紀は緊張も解れたようで尋ねてきた。 「じゃあ、年上か年下の人と遊んでたんですか?」 その問いに、禅は苦笑して答えた。 「兄貴がいるんだけど、その友達に面倒見てもらってたな」
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