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すると、１人取り残されていた翔が、禅に声をかけてきた。
「上がりは何時なんだ？」
「ん……？今日は参加バンドが少ないし、11時前には上がりだな」
禅がそう答えると、翔が禅の首に腕を絡めてきた。
「なら、この後カラオケでも行こうぜ。
コンクールとライブで、歌いたい気分なんだよ」
「別に構わねぇけど」
禅がそう答えると、翔は裕紀に視線を向けた。
「えっと……佐々木 裕紀ちゃんだっけ……？
佐々木ちゃんも来ない？」
「……いいんですか？」
裕紀が恐る恐る禅に尋ねると、禅はタバコを吐き出して言った。
「翔から誘ってるんだし、別にいいんじゃねぇの。
そっちで話してるのは全く問題にしねぇだろうしな」
そう言って禅が沙希を顎で指すと、それに気付いた沙希が首をかしげた。
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