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顔をしかめて言った禅に、沙希は大笑いした。
「あっははは!」
「……笑いすぎだ」
機嫌を悪くした禅は無理矢理からめられた沙希の腕を振りほどいて歩きだした。
「ご、ごめんごめん。大丈夫。お姉さんが道案内してあげるよ?」
沙希は笑いを堪えながら禅の横に並んだ。
「で、どの辺なの?住所とかわかる?」
禅は不機嫌に顔をしかめて沙希を睨みながら言った。
「4条3丁目だ」
それを聞いた沙希はまた笑いだした。
「それじゃあ逆だよ。後ろの方」
「……マジか?」
顔を赤らめて尋ねる禅に、沙希は笑いを堪えながら何度も頷いた。
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