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「まぁ、話しても問題ないことばっかだしな」
禅は興味なさそうな顔でそう言ったが、それでも裕紀は嬉しそうに言った。
「それでも、やっぱり嬉しいですよ」
「ふぅん……。
お前にしろ、廊下に来てた奴らにしろ、歌ってる時の俺以外は、そんなに興味ないと思ってたけどな」
禅がそう言うと、裕紀は真剣な表情になって首を振った。
「他の子たちのことは分かりませんけど、わたしが最初に見たのは、歌ってない神谷先輩です。
わたしは去年から神谷先輩のこと知ってましたから」
その言葉に禅は眉をひそめた。
「……去年?
学年が違うお前が、なんで俺のことを知ってたんだよ?」
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