後輩

16/25
前へ
/595ページ
次へ
「まぁ、話しても問題ないことばっかだしな」 禅は興味なさそうな顔でそう言ったが、それでも裕紀は嬉しそうに言った。 「それでも、やっぱり嬉しいですよ」 「ふぅん……。 お前にしろ、廊下に来てた奴らにしろ、歌ってる時の俺以外は、そんなに興味ないと思ってたけどな」 禅がそう言うと、裕紀は真剣な表情になって首を振った。 「他の子たちのことは分かりませんけど、わたしが最初に見たのは、歌ってない神谷先輩です。 わたしは去年から神谷先輩のこと知ってましたから」 その言葉に禅は眉をひそめた。 「……去年? 学年が違うお前が、なんで俺のことを知ってたんだよ?」
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加