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沙希の案内である程度歩くと、記憶にある道にさしかかった。
「ここからなら道がわかるから帰っていいぞ」
「イヤ。禅の家行くって言ったでしょ」
キッパリと言った沙希の言葉に、禅はため息をついた。
「道案内したんだからそれくらいのお礼はいいと思うけど?」
にんまりと笑う沙希に、禅はもう一度ため息をついて言った。
「……すぐ帰れよ?」
「大丈夫、満足したら帰るから」
禅は沙希の言葉に顔をしかめた。
「……ホントにすぐか疑わしいな」
「大丈夫だって」
沙希はニコニコしながら禅の肩をポンポンと叩いた。
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