君の唄が響く丘

成長

裕紀から告白された次の日、禅はアパートで１人ぼんやりとしていた。

あの後部屋に戻ると、裕紀はすでに帰った後だった。

禅も、盛り上がれるような気分ではなかったため、すぐに３人を残して１人で帰ってきた。

「……成長しねぇな、俺も」

そんなことを呟いて、大きなため息をつく。

裕紀に告白されて、最初に感じたのが恐怖だったから。

茜とケジメをつけ、割り切ったと思っていた。

しかし、それにも関わらず、体の奮えは止まらなかった。

「偉そうなこと言ったクセにな……」

自分に嫌気がさし、もう一度大きなため息をつく。