5105人が本棚に入れています
本棚に追加
/595ページ
「実家からって……、禅って1人暮らし?」
沙希がキョトンとして尋ねると禅は無言で頷いた。
「そうなんだ。でもまたなんで1人で引越してきたの?」
「……お前には関係ない」
禅は無表情で、キッパリと言った。
それを見た沙希は少し寂しそうに笑って尋ねた。
「言いたくない?言いにくい?」
「……どっちもだ」
禅はタバコの煙をはいてそう言った。
「禅はさ、何か辛いことがあってこっちに来たんでしょ?」
禅が沙希に視線を向けると、沙希は真剣な表情でまっすぐ禅を見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!