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「……何でそう思うんだ？」
禅は少し動揺しながら、そしてそれを悟られないように尋ねた。
「勘、なんだけど……、理由は禅の歌かな」
沙希は天井を見上げて続けた。
「音楽室で歌ってたのさ、わたし好きだった。もう一目惚れ？」
沙希はニッコリ笑って禅を見た。
「あれ、禅が作ったんでしょ？」
「……１年ちょっと前にな」
禅は肯定した。
すると沙希はギターを見て言った。
「あんな歌作れる人は歌が好きに決まってるよ。でも禅はやめた。好きなことやめるなんて、そんなに単純なことじゃないと思う。だから何かあったんだろうなって思ったの」
そう言って沙希はニッコリ笑った。
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