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担任はそれを確認すると、廊下にいる禅に入るように視線で促した。
禅は何の反応もせず黙って教室に入る。
すると静かだった教室がざわついた。
「だから静かに!」
担任の一声に、教室はまだざわついていたものの、担任が話しても問題ない程度に静かになる。
皆、禅の存在に興味を持ったからこそ、担任からの説明を望んでいるからだろう。
担任咳ばらいを一つすると、ゆっくりと教室を見渡しながら言った。
「彼は神谷 禅くん。わかると思うが転校生だ」
禅は感情のこもっていない様な曇った目で教室を見る。
ある生徒は隣の生徒と小声で話し、ある生徒は興味深そうに禅を見ていた。
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